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2026年 O-CHAパイオニア賞

茶に関する学術研究、関連産業、文化の更なる発展に寄与することを目的とし、優れた学術研究や振興、発展に寄与した産業技術、茶のある豊かな生活文化の提案、消費拡大等の優れた成果を、公益財団法人世界緑茶協会が顕彰しています。25回目となる2026年は下記のとおり決定いたしました。

2026年 O-CHAパイオニア賞 各賞受賞者

【学術研究大賞】

茶に係る優れた学術研究成果

受賞者

佐藤 安志(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門/茶業研究領域長)

受賞タイトル

病害虫防除体系の開発による日本茶輸出拡大への貢献

概要

日本茶を輸出するためには、輸出相手国の残留農薬基準値を踏まえた防除暦等により栽培・生産する必要がある。この問題にいち早く取組み、「輸出相手国の残留農薬基準値に対応した日本茶の病害虫防除マニュアル」「輸出相手国の残留農薬基準に対応した茶の輸出対応型防除暦の作成指針」等の取りまとめに貢献。マニュアルや研究成果は全国説明会やインターネット等で茶業関係者に広く普及し、輸出可能な日本茶の生産を促し、令和6年の輸出額は364億円に到達。氏の取組みは日本茶の輸出増加を推進し、日本茶の世界的シェア拡大に貢献。

 

【文化・芸術大賞】

茶の文化及び芸術に関する優れた成果

受賞者

 吉野 亜湖 (日本茶道塾 /事務局長)

受賞タイトル

日本茶の海外広告戦略史と文化発信に関する研究

概要

昨年上梓された『近代万博と茶 世界が驚いた日本の「喫茶外交」史』は、茶業史料のみでは把握できなかった史実を明らかにし、国産紅茶の起源に関する通説を覆す知見を提示。また『ALL ABOUT TEA』の「世界の茶の広告史」を論じた章を翻訳・分析し、報告書を広く紹介。「蘭字」の研究も進め、博物館における蘭字の展示協力や監修を行い、「蘭字の教科書(仮題)」作成にも取り組んでいる。更に、これらの研究と社会的実践を基に、カルフォルニア大学デービス校GTI主催の国際論文集出版プロジェクトに論文を寄稿し、日本茶文化の国際的発信に大きく貢献。

 

【産業技術大賞】 

茶の生産や消費に関する優れた技術や商品等の開発

受賞者

鹿児島県大隅加工技術研究センター (所長/迫田泰彦)

受賞タイトル

緑茶のみを原料としたフリーズドライ緑茶の製造技術の開発

概要

従来の粉末・成型化素材が添加されたインスタント緑茶とは異なる、緑茶のみ使用の無添加で緑茶本来の色合いや美しさを再現した「フリーズドライ緑茶」の製造技術を開発。これにより急須で淹れたような美味しいお茶を手軽に飲むことが可能となる。この製造技術は令和7年1月31日付で特許を取得。この技術開発と特許取得は緑茶の消費活性化に大きく貢献し、急須で淹れる伝統的な煎茶文化が衰退している中で日本の食文化の継承に寄与するものである。

 

【O-CHA特別大賞】 

茶に関する国際的な貢献や日本茶の普及等に係る優れた成果

受賞者

ピーター F. ゴッジ (米国茶業協会/前会長)

受賞タイトル

世界の茶産業および米国茶産業におけるリーダーシップ

概要

ユニリーバに入社し、リプトン茶部門で32年以上勤務、史上初の米国生まれの茶鑑定士となる。2011年に米国茶業協会及び茶評議会の会長に就任。「茶と健康」メッセージの推進を継続し、米国の茶産業を成長軌道へ導く。また、国連食糧農業機関(FAO)茶に関する政府間グループ(IGG)の米国代表を務め、米国食品医薬品局(FDA)による茶の「健康食品」認定においても重要な役割を果たす。更に、世界緑茶会議では日本茶輸出を手掛ける茶業関係者に重要な示唆を与え、日本茶輸出促進協議会が実施した日本茶の海外普及促進に向けた調査業務にも協力する等、日本茶業界へ大きく貢献。

 

 【CHAllenge賞】 

茶の将来を牽引するような意欲的な取組み

受賞者

土と太陽の会(代表者/杉田素之)

受賞タイトル

放棄茶園を活用した寒茶づくりによる地域活性化

概要

古来の日本茶の復興・維持と、地域社会や心身の健康の向上のため、お茶の作り手と売り手と飲む人が連携し、2017年4月本会を発足。5aの放棄茶園を借りて自然栽培で管理を始め、2019年から寒茶作りに着手する。LINE登録者は200人以上、様々なイベントに出店し、会の宣伝及び寒茶のアピールに努め、地元の小学校でもお茶の大切さを教えると共に会の理解を深める活動を行う。本会は地元の放棄茶園対策だけでなく、このような組織を方々に作り、点を面に広げるべく、牧之原の茶園で参加者と一緒に1年を通して寒茶を作っていく地道な活動を粘り強く行っている。

   

受賞者

一般財団法人ロイヤルブルーティー・茶宴・愉茶振興会 (代表理事/佐藤節男)

受賞タイトル

新たな茶文化“茶宴・愉茶”の創出と茶宴コーディネーター制度の確立

概要

ワインボトル入り高級茶を製造販売するロイヤルブルーティージャパン㈱が設立した法人。「茶宴」とはロイヤルブルーティー・料理・ゲストのマリアージュであり、国籍、宗教、性別、年齢、嗜好等問わず「いつでもどこでも誰とでも楽しめる」、日本発の“新しいおもてなし”である。2022年4月より全国の一流レストラン・ホテル・文化施設等と連携し、“食×茶×交流”をテーマに茶宴を開催。更に「茶宴」文化を持続可能な形で社会実装するために「茶宴コーディネーター」資格制度を新設し、2025年に『茶宴コーディネーター公式ガイド』を発行した。

  

受賞者

株式会社ショータイム(代表取締役/森川翔太)

受賞タイトル

Chabacco 自動販売機で買えるスティックタイプのお茶

概要

「世の中を、茶化そう」をコンセプトに生まれた“笑顔が生まれる”粉末スティックのお茶。タバコ風の見た目で駅や商業施設の自動販売機で販売している。パッケージごとに茶葉の産地や茶種が異なるため、日本各地の茶産地のお土産として人気を集める。ご当地限定のパッケージもあり、パッケージ目当てに購入したくなる点でもお茶の販売促進効果が高い。海外ではフィリピンで販売が始まっており、環境を意識する海外でも今後拡大が期待できる商品である。

  

受賞者

飯田 辰彦(ノンフィクション作家)

受賞タイトル

著書を通じて日本茶の多様性と可能性を提唱し、各産地の人々同士の繋がりを構築

概要

日本茶に関する一連の著作を通じて、かつて日本茶の大きな魅力であった「香気」や発酵の可能性について再び注目させた。2009年から4年半にわたり、月刊誌「茶」で全国各地の茶生産家を取材し、香りを重視したお茶作りの姿勢を紹介。また著書に登場した生産者や人物同士の繋がりを構築するきっかけを提供し、その人間関係は今も続いている。現在多様な茶の重要な要素である「萎凋」も、著書の中で幾度も提唱されている。氏の最大の功績は、著書を通じて日本茶の「多様性」と「奥深さ」を広く社会に伝えると共に各産地の人々同士の繋がりを構築した点である。