ホーム > おしえてTea Cha! > 茶の種類 > 紅茶の等級区分(グレーディング)

ここから本文です。

紅茶の等級区分(グレーディング)

紅茶の荒茶の仕上げ工程で、荒茶を篩い分け機にかけて茶葉の大きさごとに区分し、不純物を除き、一定のサイズに揃える作業を等級区分といいます。中国では特級から6級まで品質のランクを定め、価格に反映させていますが、その他の紅茶生産国の等級区分は品質に関係なく、仕上げ茶の大きさと形状によって分類することを表す言葉です。また等級区分の表示に厳密な規定はなく、国ごとに産地ごとにまちまちです。

現在市場に流通している紅茶は、伝統的なオーソドックス製法による紅茶か、CTC機を使用する非伝統的なCTC製法でつくられた紅茶かのどちらかです。

オーソドックス紅茶のグレードを大別しますと次のようになります。

  • 葉をカットしていないホールリーフ(全葉)またはリーフタイプ
  • 葉をカットしたブロークンタイプ
  • 細かい粉茶のファニングズ及びダスト

リーフタイプはさらにOP(オレンジペコー)、P(ペコー)などに、ブロークンタイプはBOP(ブロークンオレンジぺコー)、BP(ブロークンぺコー)などに区分されます。

その上、上記グレード名の前にT(ティッピ-、先端の芯芽が目立つ)、G(ゴールデン、金色の)、F(フラワリ-、芯芽が多い)などの形容詞がつくこともありますが、ともに厳密な基準があるわけでなく、単に素晴らしいという程度の意味でつけられるそうです。

グレード名は国により産地によって違うことがありますから、私たちは以下の名称を知っておればよいでしょう。

  • OP:よく揉んで仕上げられた針金状の大型リーフで、長さ7~11mm、芯芽を含んでいます。ダージリン産の多くはOPタイプに仕上げられます。
  • BOP:OPタイプになるべき茶葉を、揉捻機でカットしたものです。大きさは2~4mm程度で芯芽を多く含んでいます。浸出が早く水色・香味ともに強いので、最も需要の多いものです。
  • BOPF(ブロークン・オレンジ・ぺコー・ファニングズ):BOPよりさらに小さく1~2mm程度で、上級ティーバッグ用です。
  • D(ダスト):最も細かいサイズの茶、粉茶状です。

CTC紅茶を製造するCTC機は、茶葉を破砕・切断しながら粒状に丸めて整形する機械です。従ってCTC紅茶にはリーフタイプはなく、ブロークンタイプとファンニングズ、ダストの3つです。CTC紅茶は成分が浸出しやすく水色もよいためにティーバッグ用として人気が高まり、紅茶総生産量の60%以上に達しています。ただしオーソドックス紅茶に比べると風味が平凡なことは否めません。

(参考書)
荒木安正:紅茶の世界、柴田書店(1994)

(岩浅 潔)