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玄米茶、麦茶

 「玄米茶」

玄米茶はよく炒った玄米に煎茶や番茶を混合したもので、次に挙げる麦茶とは異なり代用茶というより茶の増量材として玄米を利用したか、もしくは香ばしさをだすための加工茶と考えるべきでしょう。

韓国でも「おこげ茶」がありますが、日本でもおこげをさらによく炒って代用茶のように飲用していた地方もありますので、このへんが玄米茶の起源かもしれません。いずれにしても共通の嗜好を持つ稲作文化の原点を見る感じがします。炒った玄米の香ばしさと茶の香りがよくマッチして、素朴なお菓子をお茶請けにしていただくと、とても風情があってよいものです。

「麦茶」

代用茶の一つとして扱われる麦茶の歴史は庶民の飲料としては煎茶の飲用より古いといわれています。江戸時代では麦湯と言うほうが一般的だったようです。麦茶は玄米茶と同じように搗精(搗いて種皮を取ること)しない大麦の玄麦をよく炒って、それをよく煎じて飲みます。麦茶の原料である大麦は関東では六条大麦、関西では裸麦が使われていました。それは、米の裏作に作られていた大麦が、ちょうど静岡県あたりを境に西では裸麦を東では六条大麦を多く作っていたからで、現在は六条大麦ばかりが有名ですがこれは東京中心のコマーシャリズムの影響でしょう。もっとも、裸麦に比べて六条大麦は搗精しにくいので麦茶向きといえるかもしれません。

茶に比べて後味のサッパリ感はありませんが、どの温度でも味にあまり変化がなく、おいしくいただくことができます。特に夏、暑い屋外から帰ったときなど冷えた麦茶の一杯はなんともいえない清涼感があります。じつは麦茶にはヴィタミンB1が多く含まれていて、ヴィタミンBの消耗の多い夏にとても合った飲み物なのです。

(横井 淳平)

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