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脱臭剤

お茶を揉むときに製品以外の副産物が発生してしまいます。最近話題になるカテキン類はこの中にも多量に含まれています。戸棚の中にお茶をいれたり、乾燥した茶殻をトイレの臭い消しに使ったりするなどお茶を消臭剤として用いることが昔から行われていましたが、この消臭作用はお茶の中に含まれるカテキン類によるものです。

カテキン類にはその他にも抗菌、抗酸化、コレステロール抑制、血圧上昇抑制、脂質抑制作用等があり、その利用方法が多方面から研究されています。

図は、悪臭の1つのアンモニアについていろいろな脱臭剤による脱臭効果を測定したものであり、お茶が優れていることがわかります。こな茶よりも茶抽出物の方が消臭効果は高いのですが、コストもかかります。

茶副産物中のカテキン類は、主に熱水を使用して抽出します。また、エタノールを使った場合にはカテキン類の他にクロロフィル(ガム等の食品に見られるように消臭作用もあります)も抽出されます。これらの成分を紙などに含ませて消臭効果のある製品として販売しています。

茶副産物中に含まれるカテキン類は紫外線や熱によって劣化してしまうので製品の保存には注意が必要です。消臭剤入りの製品として販売するにはカテキン類の消臭能力をより長く持続させる必要があります。そこで、茶副産物やカテキン類を包み込むような方法も検討されています。

(参考文献)

静岡県富士工業技術センター報告6号、7号

(長沢 正)

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