ホーム > おしえてTea Cha! > 茶の栽培 > 一番茶と二番茶の違い

ここから本文です。

一番茶と二番茶の違い

静岡県におけるお茶の芽は、長い冬の間休眠状態にあります。3月になって暖かくなると芽は伸長を開始します。冬芽の中から黄緑色の新芽の先端が顔を覗かせてきます。その時から約1ヶ月かけてゆっくりと、1葉、2葉と新葉を展開しながら、摘採時期に近づきます。4月下旬から5月上旬にかけて摘採される茶葉が一番茶といいます。

一番茶を収穫した後2週間ぐらいで、又新しい次の芽が伸長を開始します。一番茶摘採から約45日程度で次の芽を摘採できるようになります。この2回目に収穫する茶を二番茶といいます。

通常、一番茶は二番茶より新鮮な香りが高く、さわやかな味がして、品質がよいといわれています。この一番茶が二番茶より品質がよいとされている理由は、一番茶のために利用できる栄養分の量と、新芽の成長期間中の生育速度の差と考えられます。一番茶のために前年の秋から、芽の成長は停止して、栄養分を根とか葉とかに蓄積しています。この蓄積された栄養分を春先の比較的温度の低い条件でゆっくりと新芽の中に集めながら成長します。これに対し、二番茶は一番茶が摘採された後、成長を開始します。このとき残された栄養分が少なく、しかも、5月、6月と気温も高くなって生育速度が上がって、短期間(45日程度)で摘採可能な芽まで成長します。

図は山西先生の「お茶の科学」から引用したものですが一番茶は煎茶の味の主成分とされるテアニンが二番茶の3倍以上あり、旨みの多いお茶であることが推定されます。

(参考文献)

お茶の科学 1992年 山西貞 裳華房