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茶産地による茶の違い

静岡県の茶産地は次の8産地に大別されます。

富士・沼津茶産地

富士山西南裾野地帯、愛鷹山の南麓に位置し、火山灰などの火山噴出物の風化土壌で栽培されています。腐食が多く、物理性も比較的良く、根の生育も旺盛です。この栽培環境を利用していろいろな品種が導入され、特長ある茶の生産を行っています。

清水・庵原茶産地

興津川流域、日本平を中心に生産され、地帯は山間地から平坦地に広がっています。傾斜地を多く抱える山間地は、共同製茶工場を中心に山間地の特長を発揮するための技術改善に取り組んでいます。

本山茶産地

静岡市を流れる安倍川流域を中心とする産地で、上流地帯は「本山」と呼ばれる良質茶産地です。歴史も古く、茶園面積は静岡県下一番で甘み、渋みのバランスが良い煎茶の産地です。

志太茶産地

藤枝市、島田市、岡部町の山間地一帯の茶園が大部分で、朝比奈川上流は玉露産地、それぞれ河川の流域が煎茶の主産地で、島田市では深蒸し煎茶も生産され山間地、平坦地それぞれ特色のある産地が形成されています。

川根茶産地

大井川は南アルプスを源とし、上流域に沿った山間斜面の茶園は、やわらかな朝霧に包まれるなど恵まれた立地条件と農家の努力で、古くから川根銘茶の産地として全国にその名を知られ、普通煎茶が多く生産されています。中でも手摘み茶は温和な香気と味が特長です。

牧之原茶産地

大井川の西岸台地に広がる大茶園で、わが国最大の茶産地となっています。茶園は平坦で作業の効率も良く生産性の高い茶園を持っており、深蒸し煎茶が多く生産されています。適期摘採と大型共同製茶工場から新鮮な茶が効率良く大量に生産されています。

中遠茶産地

小笠山周辺と牧之原に接する地帯、磐田原台地を含む地域で丘陵地の茶園が多く、「特蒸し茶」、「深蒸し茶」などの特長ある茶を生産している産地です。最近では乗用型摘採機による適期摘採と大型製茶工場から新鮮な茶が効率良く大量に生産されています。

天竜・森・春野茶産地

静岡県西部、太田川上流域と天竜川上流地域を中心に、上・中級茶の良質茶産地として歴史があり、山間部では普通煎茶が多く南部では深蒸し煎茶が生産されています。手摘み茶も生産され、自園自製自販経営の柱となっています。

(岸本 浩志)