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荒茶から仕上茶へ

産地の製茶工場で加工された荒茶は、形が不均一で水分も多く、長く貯蔵できないので、仕上げ加工を行い、商品性を高め、香味を向上させた茶を仕上茶として市販します。

煎茶の仕上げ加工方法は、ふるい分け、火入れ、選別、合組などの工程があります。

「ふるい分け」は、太さを揃える平行ぶるいや振動ぶるい、粉を除去し長さを揃える廻しぶるいがあります。茶は細長い形をしていますので、ふるい面上で立たないと網目を通過しません。細長い茶を多く分離するため、茶の立つ確率を大きくすることが必要です。総合仕上機は、これらのふるいと切断機を組み合わせ、連続的に茶の形を揃える機械です。

「火入れ」は、荒茶を乾燥し貯蔵性を高めることと、火入れ香という特有な芳香を生成させて香味の向上を図るために行います。火入れによって荒茶の青臭い匂い、貯蔵中に生成した変質臭が減少し、糖とアミノ酸の加熱反応によって揮発性のピラジン、ピロール、フラン化合物などが生成します。これに含硫アミノ酸からジメチルスルフィドなどが加わって加熱香気が形成されます。

「選別」は、茶に混入している木茎を除去するために行います。一つの方法として静電式があります。これは茶葉を高圧電場中に通すと、茎は電極の方に吸引されます。茶葉と茎の静電的性質の差を利用したもので、この選別機は業界に広く使われています。

「合組」は、仕上げ加工した茶の特質を生かして、消費者の嗜好や価格に適するよう取り合わせること(ブレンド)をいいます。

仕上げ加工業者は、茶問屋や茶商など行っており、全国で約1300工場、そのうち静岡県には400工場あります。

(参考文献)

茶の化学  朝倉書店

茶の栽培と利用加工 養賢堂

茶関係資料 日本茶業中央会

(澤村 章二)

仕上げ茶工程(画像をクリックしてください)