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世界の紅茶産地

1998年の世界の茶生産量は全体で296万3千トン、このうち紅茶は224万トンで全体の75.6%を占めています。生産国は40か国に及びますが、生産量の多い10か国は表のとおりで、それら国々について簡単に紹介します。

インド

茶産地は北東インド、北西インド、南インドの3地域に大別でき、北東インドのダージリン、アッサムが、南インドのニルギリが有名です。ダージリンはヒマラヤ山脈の麓、標高2,000mまでの急峻な斜面に茶園が開かれています。アッサムは広大な平坦地で、気象条件に恵まれた世界最大の紅茶産地です。日陰樹と呼ばれる高い木が枝を広げ茶樹を覆っています。ニルギリはインド大陸の南端近く1,200~1,800mの丘陵地です。

バングラデシュ

アッサム茶産地に隣接した低い平坦地に茶園があり、品質はアッサム茶とよく似ています。

スリランカ

茶園は島の南寄りの山地にあります。製茶工場の標高によって高地産(4,000フィート以上)、中地産、低地産(2,000フィート以下)に分けられます。山の東側は1~3月が雨期で紅茶生産は中断し、7~8月が乾期で良質の紅茶のできるクオリティシーズンです。反対に西側は5~9月が雨期で、1~3月がクオリティシーズンです。

ケニア ・ マラウイ

ケニアは赤道直下の高原の国で、紅茶づくりの歴史は短いのですが、茶栽培に適した自然環境、広大で肥沃な土地、豊富な労働力などによって紅茶大国に成長しました。マラウイはケニアの南にある高地の国です。

インドネシア

オランダ人によって開発された歴史のある紅茶生産国です。スマトラ島北部とジャワ島西部の高原が生産の中心で、セイロン紅茶に似た製品ができます。

トルコ・イラン

トルコは黒海沿岸部の東側に産地があり、その東のイランはカスピ海沿岸部が茶産地です。両国とも生産の大部分は国内で消費されます。

アルゼンチン

北東部国境の丘陵地帯に茶園があります。この地域の特徴は昼夜の温度差が大きいことで、1年を通じて20~25℃もの温度差が観測されています。

中国

紅茶は湖南、広東、雲南、江西、安徽、広西、貴州の各省と海南島などで生産されています。世界的に有名なのは祁門(キーマン)紅茶です。

(表)
インターナショナル ティー コミッティ:統計年表、及びFAO:生産年表による

(参考書)
荒木安正:紅茶の世界、柴田書店(1994)

(岩浅 潔)

世界の紅茶生産上位10か国(1998年)