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緑茶の保存法〔専門店での〕

お茶は本来保存性のよい乾燥品ですが、取り扱い方によっては変質が早まることがあります。品質に影響する要因としては、お茶の水分、温度、酸素、光、臭気などがあります。よく乾燥した茶を吸湿させないよう、窒素ガス包装して、冷暗所で保管すれば完璧です。お茶の品質は再製工場で包装されたときが最高ですから、お客様に早くお届けすることが大切です。

現在いろいろな性能の茶袋が出ています。ガス置換包装用の袋は、異なる性能のプラスチックフィルム数枚とアルミ箔とを貼り合わせたものですが、防湿性・遮光性・ガスバリア性(空気や酸素を通さない性質)、に優れており、上級茶の包装に使われています。茶業試験場の研究によりますと、この茶袋に窒素ガス包装した煎茶は、25℃で6か月後も品質が変わらなかったそうです(原 利男;茶業研究報告、60号、1-6(1984))。

この茶袋を使っても窒素ガス包装しない(含気包装)条件なら、品質よく保存できた期間は3か月と短くなりました。ガスバリア性のない防湿包装用茶袋では25℃で2か月保存でき、アルミ箔を使っていないセロファン・紙・ポリエチレンの普通包装用茶袋(防湿性劣る)では25℃1か月の商品寿命でした。

光は緑茶の緑を退色させ、香気を悪くしますから、中の見える茶袋は明るいところを避けましょう。お茶はにおいをよく吸収しますから、異臭のある場所を避けることも大切です。店頭での計量販売は客寄せにもなる販売方法ですが、お茶の品質保持という点では問題がありますから十分注意して行ってください。

(岩浅 潔)

25℃に保管した包装茶の品質変化(クリックすると大きくなります)