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これまでに、様々な臭いに対するお茶の消臭効果が報告されています。ここでは、三つの臭いに対する効果を解説します。
まず、口臭の予防についてですが、口臭の原因としては、食べ物の残りカスが歯や歯ぐきに付着して起こる、または、口腔内に細菌が発生することで起こることが知られています。食べ物自身の匂い物質としては、ニンニクのアリルサルファイドや魚のトリメチルアミンなどが知られていますが、緑茶カテキン類はこれらの化合物と結合してその臭いを消すことが報告されています(文献1)。また、口臭の原因の一つであるメチルメルカプタンという物質とも直接結合して、その臭いを消すという報告もあります(図1(A), 文献2)。
一方、口臭細菌に対しては、緑茶カテキン類が殺菌作用を示したり(文献3)、細菌の口腔内壁細胞への接着と増殖を抑制する作用を示す(文献4)ことが知られています。こうした緑茶カテキン類の口臭予防効果は、ガムや口臭防止剤への添加という形ですでに実用化されています。
次に、緑茶カテキン類が、部屋の匂いの原因物質であるアンモニア臭や、合板等の建材から発生するホルムアルデヒドなどのアルデヒド臭を消す効果についての報告があります。アルデヒドの場合には、緑茶カテキン類のようなフラバン-3-オールと呼ばれる化合物と化学的に重合することが知られています(図1(B), 文献5)。このような効果も、すでに空調機用消臭フィルタに使用することで、実用化されています。
最後に、家畜の排泄物に対する消臭効果の報告があります。例えば、豚に緑茶ポリフェノールを添加した飼料を与えると、糞の細菌叢の組成が変化し、その臭いが減少するとこが分かっています(文献6)。
(参考文献)
(芳野 恭士)
図1 カテキン類と悪臭原因物質との反応(画像をクリックしてください)