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ボケ防止効果

ボケの脳障害の二大要因はアルツハイマ-型老年痴呆と脳血管性痴呆です。脳の機能に重要な役割を果たすものとして神経伝達物質がありますが、その神経伝達物質のひとつにセロトニンという物質があります。セロトニンの働きのひとつにコルチゾ-ルの分泌を抑制し、脳の萎縮や老化を防止する作用があります。つまり、脳内でセロトニン量が増加すると精神が安定し、コルチゾ-ルの分泌が低下し、脳の障害が防げると考えられています。

ストレスが加わると下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、副腎皮質からコルチゾ-ルが放出されます。ストレスによって増加したコルチゾ-ルは脳細胞を死滅させ、脳の萎縮、さらには脳の老化につながります。茶に含まれているカフェインや茶のうまみ成分であるテアニンはセロトニンを増加させる作用があります。茶を飲むことによって脳の障害が防げる可能性があるということです。

また脳の前脳部分にある記憶を司る神経細胞の働きを維持することがアルツハイマ-病の有効な治療になると考えられていますが、テアニンはこの神経細胞の働きを健全に保つ働きがあるとされています。

一方、脳血管性痴呆の主たる原因は動脈硬化です。動脈硬化を予防するためにはバランスのとれた日本型食生活が推奨されていますが、その日本型食生活に付随した飲み物に茶があります。

茶カテキンには抗酸化作用、血中コレステロ-ル上昇の抑制、血中LDLの酸化変性の抑制、血圧の上昇抑制などの作用があります。茶カテキンのこれらの作用は動脈硬化を防止し、脳血管性痴呆の予防につながると考えられます。

以上のことからカフェイン、テアニン、カテキンを含んでいる茶にはボケ防止が期待できるのです。

(参考文献)
横越英彦;栄養と健康のライフサイエンス4、157-163(1999)
Yokogoshi,H.,Mochizuki,M., and Saitoh, K.; Biosci.Biotechnol.Biochem., 62(4),816-817(1998)朝長正徳:脳の老化とボケ、紀伊国屋書店(1991)
藤巻正生:機能性食品と健康、裳華房(1999)
黒田行昭・原征彦:お茶はなぜ体によいのか-カテキンパワ-の秘密-、裳華房(1999)

(イラスト説明)
今や世界一の長寿を誇る日本。その背景のひとつに日本型食生活があります。国際的にも高く評価されている日本型食生活を中心とした食事に、ボケ防止が期待できるカテキンやテアニン、カフェインを含むお茶を添えて、ますます健康寿命を延ばしましょう。

(早川 史子)

茶に期待できるボケ防止