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テアニン・アミノ酸

アミノ酸とは、化学的にいえば、分子内にアミノ基と酸基をもつ化合物(アミドも含む)の総称です。

茶葉中には、不溶性のたんぱく質の構成成分として多量に含まれていますが、茶の品質(味)にとって重要であるのは、遊離の状態で存在する水溶性のアミノ酸で、玉露や上級煎茶などのうま味の本体と考えられています。茶葉中には、約20種にもなる遊離アミノ酸が存在しますが、茶特有のテアニン(厳密にはアミド)が約半分を占めています。

その他、主要なものとして、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン、セリンの5種を加えると、全遊離アミノ酸の98%に達するとされています。

テアニンは、量的に圧倒的に多いだけでなく、高級緑茶ほど多い傾向が顕著なため、高級緑茶の強いうま味の本体であるといわれてきました。

しかし、全国品評会で入賞した玉露や上級煎茶では、アルギニンの比率が、一般のものより特異的に高いことや、グルタミン酸やアルギニンはテアニンより、はるかに味が強いことなどから、茶のうま味には、テアニンだけでなく、アルギニンやグルタミン酸の貢献も大きいと考えられるようになってきました。

また、テアニンは、脳・神経機能に作用して、興奮を抑え、リラックス効果を与えることが明らかにされ、生理活性の点からも注目されています。

(中川 致之)

上:アミノ酸の含有量/下:アミノ酸分析例 (画像をクリックしてください)