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チベット、蒙古のお茶

チベットは標高も4000m近い山岳の高原地帯であり、蒙古は見渡す限りの草原であり、いずれも人々の生活には恵まれた条件とは思えません。こうした自然条件下に生きる人々に精神的支えを与えているのがラマ教ではないかと思います。ラマ教も仏教のいち宗派であり仏教の思想が根底にあって、そこに茶という飲み物が活きています。

チベットのバター茶

チベット人の伝統的生活には家畜と共に生きる生活があり、家畜の乳などの乳製品が食生活には欠かせないものとなっています。そこへ中国から茶が持ち込まれ、乳製品と茶が合体したのがバター茶であり、塩茶といわれる飲み物です。

乳製品の栄養価と茶の持つ成分とが一体となって高原の山岳地帯に住む人たちの日常生活を支える栄養分の補給源となっているのです。高原地帯に生きる牛の仲間の「ヤク」の乳から造るバターが強烈なにおいを持っており、バター茶も強烈なにおいのお茶です。

蒙古人のナイーチャ

蒙古の大草原に住む人たちも家畜の飼育によって日常生活が営まれており、精神的にはラマ教が主となっている。チベットから伝えられたものと見られるが、こと茶に関しては、中国の長江沿いの茶産地から運ばれたものです。ラマ教と共にバター茶の習慣が伝えられたかもしれませんが、蒙古の人たちの家畜乳の利用が、茶の導入となり、羊や馬乳が茶と一緒になりナイーチャとして広く飲まれる飲料となっています。

(松下 智)

チベット人によく飲まれるチベット茶  右の筒がチャンドン(お茶とバター、塩を混合する道具)