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日本茶の品種

我々が日常茶飯事として飲んでいるお茶は、植物のチャの葉から作られるものであることは、疑う余地がありません。ところで、日本のチャの栽培品種が、明確に意識されはじめたのは江戸後期になってのこと。しかしこれらは、観賞用の品種のことで、お茶を作るための品種ではなかったです。お茶の収益目的で改良が始まったのは、明治の中ごろからで、ご存じの栽培品種「やぶきた」の生みの親杉山彦三郎翁の育種などが古いようです。

それでは、現在、日本でのチャの栽培品種は、どの程度存在するのでしょうか。1988頃のデ-タでは、品種登録されたものだけでもおよそ55品が存在します。この内訳は、緑茶用品種43、紅茶用品種11、緑茶・紅茶兼用品種1で、この中にはアッサムチャの血を引く品種もあるのです。緑茶用で、特に煎茶に適した「やぶきた」は、日本各地で最も栽培面積が広い普及品種といえます。「さやまみどり」「かなやみどり」「ゆたかみどり」「やまかい」なども煎茶用としてよく普及しています。玉露では「きょうみどり」「さみどり」「たかちほ」「やまなみ」など、紅茶用では「べにほまれ」など、てん茶用では「あさひ」「おぐらみどり」などが代表的な栽培品種の一例といえるでしょう。また「うんかい」は、かまいり茶に適している品種なのだそうです。

とにかく、こうした日本のチャの栽培品種は、現在人の嗜好にあった味をもとめて、さらに進化していくのでしう。

(横内 茂)

栽培品種「あさつゆ」