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ウーロン茶の作り方

ウーロン茶の主な産地は、中国南方の福建省や広東省、台湾などです。中でも福建省はその中心です。これらの地域では、「鉄観音」、「黄金桂」、「毛蟹」、「梅占」、「仏手」、「福建水仙」、「鳳凰水仙」などの茶樹品種から様々なウーロン茶が作られています。

ウーロン茶の一般的な製法は、図.1のようになります。製法上注目すべきは、萎凋(いちょう)の工程です。この工程中、茶の葉内ではゆっくりと種々の酵素が作用し、葉内成分の生化学的変化が起こります。この結果、ウーロン茶特有の香気、色、味が作られます。

一方、福建省では有名な「鉄観音」が作られています。鉄観音は、福建南部の安渓を中心に製造されており、製法は、図.3のようになります。一般的な製法と異なる点は、揉捻の工程です。初乾燥した葉を布に包み、こねる様にして行う揉捻で、「包揉」あるいは「包巾揉」と呼ばれます。この工程により、味や香りの成分が変化するだけでなく、形状も丸みを帯びた鉄観音特有のものになります。

また福建北部の武夷山脈周辺では、「武夷水仙」や「武夷岩茶」が作られています。武夷岩茶の製法は、図.4の通りです。製法上の特徴は、加温萎凋や初乾燥後の堆積が行われる点です。

なお広東省では、北東部鳳凰山周辺で「鳳凰単(たんそう)」や発酵度の弱い「石古坪(せっこひょう)烏龍」などが作られています。また台湾には、「凍頂(とうちょう)烏龍」や発酵度の強い「紅(あか)烏龍」などがあります。

(参考文献)
湖南農学院主編(1980)『茶樹育種学』.農業出版社

松下智(1986)『中国の茶-その種類と特性-』.河原書店

同 (1998)『茶の民族史-製茶文化の源流-』.雄山閣出版

(坪内 淳仁)

上から:ウーロン茶の作り方(画像をクリックしてください)/摘葉/萎凋/殺青/乾燥 (横内茂氏撮影)