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日本への茶の伝播

日本の茶は、古来より自生したものと、中国から伝来したものとの二説がありますが、日本に自生したという説には関しては化石植物、考古学等の研究が進まないと明確になりません。一方中国からの伝来に関しましては煎じ茶、抹茶、煎茶(淹茶)の3ルートが考えられます。

煎じ茶の来た道

奈良時代日本から中国へ留学僧として「遣隋使」が派遣されており、多くの名僧たちが中国へ出かけてその帰りに当時の中国でも珍重されていた「茶」を土産として持ち帰ったようで、その代表的な僧が「永忠」です。永忠が嵯峨天皇に煎じた茶を献上したことは史上に明かであります。このルートは中国の山東半島から山西省の五台山への道のようです。当時の名僧たちは五台山での修行が目的であり、九州から朝鮮半島の西側を北上して山東半島に上陸したようです。

抹茶の伝来

日本茶の現在の姿は抹茶の伝来によるものであり、蒸し製の茶造りであり、それも抹茶にありました。抹茶は中国の宋代の一時期のようですが、蒸した茶の葉をそのまま乾燥して、飲むときに石臼などで粉末にして飲んだもので、それを日本に持ち帰ったのが永西禅師でした。これが現在の日本茶の基となったものです。

煎茶(淹茶)のきた道

中国の明代になると、茶の葉を釜で炒って揉む方法が始まり、この法を伝えたのが隠元禅師です。茶の葉にお湯を注いで飲む方法であり、日本にも広く普及することになり日本茶の主流となりました。

(松下 智)

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