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中国における黎明期の喫茶

中国茶が歴史上に登場するののには推測、伝説、神話等に基づくものがあり、具体的な事実に基づくものが少ないように思えます。その具体的な記述となるのは唐代に陸羽が著した『茶経』ではないかと思います。『茶経』に著された喫茶に関する項目については粉末茶の飲み方であり、茶だけを飲むようにしなさいということがあります。

擂茶の習俗

茶の文化(製茶、喫茶)の発生地と見られる、雲貴高原の北端山地には茶の葉と胡麻、落花生、コショウなどを擂合せて塩味をつけてそれにいろいろな具を加えて飲む習慣があります。具が入るため飲むより食べるという方が適当なようです。こうした習慣は現在も一部地域には残っています。この擂茶から茶だけ飲む様にしたのが現在の喫茶の始まりではないかと思います。

打油茶の習俗

擂茶の処方を簡略化したのが打油茶の法であり、擂茶の時の茶の葉は新葉の早い時期の幼芽を使っていますが、打油茶では古くなった大きな茶の葉も使うために擂ることができず、茶の葉を搗くようにして 鉢に打ち付けます。打つことによって茶の葉から成分を取り出すことになります。

油茶の習俗

さらに簡略化した飲み方が油茶の法です。これは、茶の葉を油炒めにして、お湯と塩を加えて飲む方法で広く各地に見られる方法です。こうした喫茶法は山間民族の習俗であり、山地に自生する茶の木を利用していたもので、これが漢族に伝わり、お茶だけ飲むことになり、漢方薬的手法として後世にお茶が飲まれることになったものと思われます。

(松下 智)