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紅茶 ・ ウーロン茶の保存法

紅茶やウーロン茶の安全な保存法は、緑茶の場合と変わりません。茶を変質させるのは、湿気、熱、酸素、光などです。また匂い・異臭がつくとお茶の値打ちが無くなります。

紅茶とウーロン茶は醗酵という過程を経てつくられます。ただし、醗酵の程度は違っていて、完全に醗酵させたのが紅茶で、醗酵を途中で止めたのがウーロン茶です。ウーロン茶は半醗酵茶とも呼ばれますが、半醗酵といっても紅茶の二分の一ということではありません。ウーロン茶には産地や品種によって多くの種類があり、醗酵程度が紅茶に近いものから僅かに醗酵したものまで、非常に大きな差があります。お茶の醗酵は、茶葉の酸化酵素によるカテキンなど茶葉成分の酸化が主な反応です。したがって、紅茶・ウーロン茶には酸化されやすい成分が緑茶よりも少なくなっています。

お茶の変質は、お茶の成分が空気中の酸素によって酸化されることで起こります。この点からいえば、紅茶・ウーロン茶は緑茶に比べて酸化されやすい成分が少ないので、変質しにくいお茶であるといえます。包装茶の賞味期間をみますと、緑茶が長くても1年であるのに対し、缶入りの紅茶は3年、紙包装のティーバッグは2年と長くとってあります。これによっても、紅茶の風味劣化または変質がゆっくり進むことが分かります。

家庭における紅茶・ウーロン茶の保管で注意することは、湿気させないこと、他の匂いをつけないことが肝心で、ほかに光を当てない、高温にしないことなどです。開封後は、密閉度の高い容器、例えばしっかりした茶缶や防湿性のアルミ袋などに入れます。アルミ袋の場合は、袋の上部をしっかり折り込んでテープで止めます。保存場所は、湿気の低いところや直射日光の射さない涼しいところ、匂いの無いところを選びます。要するに緑茶と同じようにすれば十分です。

賞味期限が長いからといっても、その間にお茶の鮮度は落ちています。紅茶の鮮度保持には7℃の定温管理が望ましいとされています。日本の高温多湿な夏を乗り切るには、冷蔵庫の上手な利用も必要であると思います。

終わりにひとこと、お茶の保存は大切なことですが、本当は早めに美味しいうちに飲むのが大切です。大事にし過ぎると美味しさのピークを逃してしまいます。

(参考書)

成田重行ら:中国茶の愉しみ 雑学ノート、ダイヤモンド社(1999)

(岩浅 潔)