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眠気ざまし効果

寝る前に濃いお茶を飲むと目が冴えて眠れなかったという経験はありませんか。

茶はその昔、目覚まし草とも呼ばれていて、禅の修行をする僧侶達はお茶を飲んで、襲いかかる眠気に打ち勝ってきました。このような茶の眠気ざまし効果は茶に含まれるカフェインの覚醒作用によるものです(図)。

カフェインには大脳刺激作用があり、中枢神経を刺激し、脳の働きを活性化し、物事に対する反応を速め、心を快活にし、精神作用を高める作用があります。このことからカフェインは医薬品として中枢興奮薬に用いられています。

茶葉に含まれるカフェインの量は茶葉の生育期間によって異なります。カフェインが最も多く含まれる茶葉は5、6,7月頃の新茶であり、乾燥茶葉中2~4%含まれています。そして古葉になるにつれてその含有量は減少します。大寒の頃(1月20日頃)の茶葉を摘んで作られる足助(愛知県)の晩茶(寒茶と呼ばれる)にはカフェインはわずか0.5%しか含まれていません。このことからもカフェインを多く含んでいる紅茶、抹茶、玉露、高級煎茶を飲むと眠気がとれて、気分がすっきりすることが理解できます。眠気や倦怠感を払拭したい時にはカフェインが多く含まれている茶を飲むとよいでしょう。

(参考文献)
村松敬一郎編:茶の科学、朝倉書店(1991)
P.B.Dews:Caffeine, Ann. Rev. Nutr.2:323-3241(1982)
山西貞:お茶の科学、裳華房(1992)
中林敏郎、伊奈和夫、坂田完三:緑茶・紅茶・烏龍茶の科学と機能、弘学出版(1991)
早川史子:人間文化、0号、40-46(1996)

(イラスト説明)
“茶は目覚まし草”
茶の中に含まれているカフェインには眠気ざましの効果があります。お茶を飲んで脳の働きを活発化し、気にかかる仕事を効率よく片づけ、後はゆっくり休みましょう。

(早川 史子)

カフェインの覚醒作用(画像をクリックしてください)