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便秘予防効果

栄西禅師の『喫茶養生記』に茶の効用のひとつとして便通がよくなると書かれています。そもそも便秘は食べ物、生活の変化、精神的緊張、朝食の欠食、運動不足など様々な原因からおこります。生活習慣病のひとつに大腸ガンがありますが、食物繊維の摂取不足による便秘がその発症原因のひとつとされています。まさに「たかが便秘、されど便秘」です。

我々の腸内には100種類以上の細菌が100兆個も存在しています。このような細菌の集団は腸内細菌叢(腸内フロ-ラ)と呼ばれています。腸内細菌叢の中にはビフィズス菌のような善玉菌と大腸菌、ウエルシュ菌などのような悪玉菌があります。悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えたときに便秘や下痢を起こします。善玉菌であるビフィズス菌は我々の健康維持に重要な役割を演じてくれますが、そのひとつに便秘予防効果があります。

茶カテキンは悪玉菌に対しては強い殺菌効果を示しますが、善玉菌であるビフィズス菌に対してはそれを増やす効果があります。つまり、茶カテキンはビフィズス菌を増やし、便秘を予防してくれるのです。茶カテキンをヒトに投与した場合、便の量は増えるし、善玉菌も増えるという報告があります。ただし、カテキンの投与をやめると元の腸内細菌叢の状態にもどってしまいますから、日常的に茶を飲み続ける必要があります。

これまで整腸作用のある食品として乳酸菌飲料、オリゴ糖、食物繊維などが推奨されてきましたが、茶カテキンにも同様な効果が期待できるのです。

(参考文献)
黒田行昭・原征彦:お茶はなぜ体によいのか-カテキンパワ-の秘密-、裳華房(1999)
原征彦・石上正:日食工誌、36、996(1989)

(イラスト説明)
“茶カテキンは善玉菌の味方”
茶カテキンは腸内を正常に保つために必要なビフィズス菌のような善玉菌の味方です。また、悪玉菌を逆にやっつける働きがあります。お茶を飲むことによって便秘の効果が期待できます。

(早川 史子)

茶カテキンは善玉菌の味方