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フラボノイド

フラボノイドはフラボンに関連した化学構造をもつ化合物の総称で、基本構造として、2つのフェニル基が3つの炭素を介して結合しています。植物に色素成分などとして広く含まれていて、食品中にも存在しています。

フラボン、イソフラボン、フラボノール、フラバノン、カルコン、フラバノール、アントシアニジンなどがこれに含まれます。これらがまた一群の化合物の総称となっているので、非常にたくさんの化合物があり、現在4000種以上が知られています。その多くは配糖体として存在しています。フラボノイドは一般に強い活性酸素消去作用を示します。茶カテキンはフラバノールの誘導体で、ポリヒドロキシフラバン-3-オールの構造をもつフラボノイドです。

緑茶に含まれるフラボノイドにはカテキン類の他ケルセチン(フラボノール誘導体)やアントシアニン(アントシアニジン誘導体)がありますが、含量の多いカテキン類が注目され、その効能の研究が進められています。そばに含まれるルチンはケルセチン配糖体であり、ダイズに多く含まれるゲニステインはイソフラボンの1種です。

(参考文献)

生化学辞典(第3版)今堀和友、山川民夫監修 東京化学同人(1998)

(図説明)
フラボノイドはフラボンに関連した構造をもつ化合物の総称。茶カテキンもフラバン-3-オールの骨格をもつフラボノイドである。

(伊勢村 護)

フラボンとフラバン-3-オールの化学構造(画像をクリックしてください)