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さわみずか ─ 高品質、多収の晩生品種、共同工場で注目 ─

品質特性

荒茶の形状は細く、色沢は濃緑で良好ですが、やや赤みを帯びることもあります。
香気は、「やぶきた」と異なり、清涼感のある良い香りを持ち、水色も「やぶきた」と遜色ないものです。滋味はやや渋味が感じられ、爽やかさとともに、こく味のあるものです。
また、茶商さんからは、長所として色沢が特に良く、香気と滋味は「やぶきた」と遜色なく良好で、市場性は高いと評価されています。短所としては、摘採時期が遅く、ややもすると「ふじみどり」の香りが出ることなどが指摘されました。

栽培上の注意点

樹勢が旺盛で、樹姿が開張型、初期生育も優れるため、幼木期からの仕立ては容易です。しかし、晩生種にも関わらず裂傷型凍害に弱いため、幼木期には防寒に注意する必要があります。

加工上の注意点

「さわみずか」は新芽が細く、製品の形状は良好、色沢も濃緑ですが、赤みを帯びることがあります。その時には、蒸熱時間をやや長くし、粗揉工程の茶温を低くすることで対処します。
水色は、普通蒸しの場合、やや赤味を帯びることがあります。少し深蒸しにすると、きれいな緑色になります。

普及および栽培適地

「さわみずか」は、「やぶきた」と組み合わせ栽培できる多収型の晩生種です。耐寒性は「やぶきた」程度ですが、炭そ病には強く、樹勢も優れるため温暖地域の山間地、平坦地の機械化栽培体系下での品種組み合わせ栽培に適したものです。

月刊「茶」(社団法人静岡県茶業会議所)より転載

(中村順行)