ホーム > おしえてTea Cha! > 茶の品種 > 香駿 ─これまでにない香味を持った中生品種 ─

ここから本文です。

香駿 ─これまでにない香味を持った中生品種 ─

品質の特性

摘芽は芽数形で芽揃いが極めて良いため、荒茶品質も外観は極めて細撚れれし易く優れています。また、内質は持続性のある香りが強く、滋味は調和がとれ、温和な中にも後味を残し、香味豊かなものとなります。「香駿」の香味については、嗜好調査から、味が濃い、香りが良い、旨みがある等の評価が高く、香りは若い世代の女性を中心に爽やかで清涼感のある香りをイメージする意見が多いものです。

栽培上の注意点

樹勢が旺盛で、樹姿が開帳型のため、幼木期の仕立ては容易です。しかし、成園化すると芽数型の傾向が強まるため、更新などを計画的に行い、多収性の維持に努める必要がある。また、クワシロカイガラムシには罹病性のため、周到な防除が必要です。

加工上の注意点

「香駿」は、細撚れで形状が揃い易いものです。また、爽やかな香気を特徴とするため、あまり深蒸しにするのは適当と思われません。後味にやや渋味を感じる場合には、香気に影響のでない程度に蒸しを進めることで対処します。

普及および栽培適地

「香駿」は、収量性が高く、耐寒性の強いことから、静岡県内の全域に適しますが、特に香味に特徴のある中生品種のため、品質を前面に打ち出した産地銘柄化を目指す地域に最適です。

月刊「茶」(社団法人静岡県茶業会議所)より転載

(中村順行)