2003年9月26日付け読売新聞朝刊において、三重大学医学部の研究グループが、緑茶に多く含まれる「カテキン類」が細胞内のDNAを傷つけ、がんを発症させる仕組みを突き止めたことが報道されました。
研究を行った三重大学の川西教授に直接電話でお伺いしたところ、「今回の研究はカテキンの安全性を調べるために行ったもので、通常の約40倍に相当するカテキンをがん細胞に投与した場合、DNAを損傷することが分かった。カテキンのがん予防効果は多くの研究成果から明らかとなっており、通常のお茶を飲む場合は特に問題がない」ということでした。
教授に伺った内容の詳細は下記のとおりです
| 1 研究目的 |
近年、がんの化学的予防が課題となっているが、がん予防物質の有効性とともにその物質の安全性を確認することも重要である。(お茶ががん予防に有効であることは研究成果でも裏付けられており、そのことは承知している)。
以前、喫煙者へのβカロチンの介入試験を行ったが、予想に反してがんが増えた。何故増えたのかを現在も研究しているが、今回のカテキンの試験においても「どれだけ飲んでも害がないのか」という視点から研究を行った。 |
| 2 研究結果 |
(1)
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培養したがん細胞に20マイクロモーラーの濃度のEGCG(エピガロカテキンガレート)を投与したところ、通常の状態に比べて1.5〜2倍、DNAの損傷が見られた。なお、それ以下の濃度では損傷は見られなかった。 |
| (2) |
投与したEGCGの量は、緑茶を1杯飲んだときの血中濃度(0.5マイクロモーラー)の約40倍の濃度に相当する。 |
| (3) |
今回の試験は試験管内のものであり、また、日常生活の中でこのように高濃度のお茶を飲むことはありえず、通常の飲み方であれば人体には影響はない。 |
| 3 今後の研究方向 |
(1)
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健康ブームで、健康食品の有効性のみが強調されすぎているきらいがある。それらの食品の安全性についてこれからも研究していく。 |
| (2) |
お茶は、カテキン以外にも様々な成分を含んでいる。今回、カテキンのDNA損傷が明らかになったが、カテキンとそれ以外の成分との相乗効果を研究していく予定であり、それにより新たな知見が得られるかもしれないと考えている。 |